字遊書家 Binaの字遊日記

書道の楷書をベースとして,遊びやおしゃれに使用できる創作書道(名付けて「字遊書」)をご覧ください!!!

父の日の思い出

感謝 父の日



小学校の3年生のころの父。

父は,いつも仕事が終わると飲みにいっていた。
帰ってくるころには,私はもう布団にはいっていた。
時々,寝付きの悪い時は父が帰ってくる声が聞こえた。

飲みに行った日はいつも上機嫌だったみたいだった。
私にお土産を買ってきてくれた。

それを,朝ご飯のときに食べるのが習慣になっていた。


飲みに行かない日は,家にいる。
ただ,その時はほとんど口をきかない。
黙って,ご飯を食べて,テレビを見てよこになる。

そして,うたた寝が始まる。
こんな日ばっかりだった。

幼ごころに父を見て不思議に思っていた。
ほかのお父さんはこんなんなのかな??って。


休みの日は,私と遊んでくれるわけでもなく,家族で出かけるわけでもなく,
どこかに出かけてしまう。
昼ごはんを一緒に食べた記憶があまりない。
時々家にいると,畑仕事をしたりしていた。

家族と過ごすというよりは,自分の好きなことをしているって感じ。


お母さんはいつもお金がないといってた。
兄弟が多かったせいか,食費がかさんでいると言っていた。

朝,父がお母さんから「お金をくれ」といってお金をもらう
姿を何回も目の当たりにした。
その晩は必ず飲みにいっていた。

お金がないと知っていたので,ひどい父だと感じていた。


それが小学校3年生のころの私の父。




そんなことを繰り返し見ているうちに私も思春期になっていた。

父は相変わらず仕事が終われば飲みに行く毎日を過ごしていた。
私も小学生じゃないので,そんな父に怒りをおぼえるようになった。

お母さんは毎日,変わらず私のために食事を作ったり,時間を作ったり,
遊んだりしてくれた。

だんだん父とお母さんの感じ方にギャップがでてきたのを感じる。



高校生になるころには,お母さんともソリが合わなくなり,だんだん家を出たいと
思うようになった。

20歳になった時,私は家をでた。父やお母さんの反対を押し切って。

父は悲しそうな顔をしていた。「行くな。出て行くな」と今にも言いそうなくらいに。


私はせいせいしていた。特に父に対して,恨みを返したような気分だった。
やった!あんな悲しそうな顔をしている。って。

私は,大学生活を送るようになり,友達もたくさんできて楽しい毎日だった。

後から聞いた話だけれど,父は私が家を出てから飲みに行かなくなったそうな。
そう言えば,私が家を出てから実家,特に父から良く電話がかかってくるようになった。

私からすれば,ウザいと思う家を出て,父を見なくてセイセイする感じだったのに。

はじめは私も電話にでていたが,すぐに居留守を使うようになった。

携帯電話も実家の電話を着信拒否設定にしていた。


それから,しばらくは実家からの電話が続いていたが,だんだん数が減り,ひと月に1回程度に
なった。それでも私は電話にでない。

時々,実家に帰るがわざわざ父のいない時間に帰っていた。
そう,父の顔を見たくなかったからだ。

「たまには電話に出なさい。お父さんが寂しがっているわよ」
お母さんからそう言われても「あーうーん」とあいまいな返事をするだけ。


それから就職が決まった。でも,就職が決まったことを父には伝えなかった。
父に仕事のことをとやかく言われるのが嫌だったから。ただそれだけの理由。



数年が経った。

ある時,仕事場に母から電話があった。

「お父さんが倒れた。」と。

すぐに実家に帰ったが,すでに息をひきとっていた。父の日。

久しぶりに実感に帰ろうと思っていた日だった。

父は急死だった。

父の顔を見ても,正直なところあまり悲しい感情はなかった。

激しく嗚咽するお母さんを横目に私は,そこにいるのが不自然なくらい落ち着いていた。

葬儀も終わり,四十九日を終え,母と実家の父の部屋の整理をした。

今まで趣味で集めたもののほかに1冊のファイルがでてきた。


そこには,私がまだ幼かったころに父にプレゼントした手紙や絵や折り紙がはさんであった。
記憶のある限り,私がプレゼントしたものすべてが・・・。

最初のページには,私が生まれた時の写真が貼られていた。
タオルにくるまれた小さな私と,その横には私の3倍くらいの大きさの今まで目にしたことのない父の
満面の笑顔があった。



愛されていた。わたしは。
気付かなかった。気付いてあげられなかった。

父にそっけない態度をとってから10年あまり。

後悔先に立たず。


改めて父のことを思い出すと,実家を出てから誕生日にプレゼントを贈ってくれたし,
たくさん連絡もくれていた。
小学校のときは,飲みに行くと毎日お土産を買ってきてくれた。


いつも父は遠くから私を見守ってくれていたのだ。


母から
「お父さんは,いつもあなたの家のそばまで行っていたんだよ。
あなたの帰りが遅い。どこ言ってるんやろうって帰って来て心配していたんやで。
ストーカーみたいかもしれんけど,あんたはそんだけ心配されてたんやで」


ほほに涙が伝う。

私が馬鹿だった。何もわかっていなかった。親孝行もできなかった。

心配させたままだった。

激しく嗚咽するほど,涙が枯れるほど涙を流した。





あれから5年あまり経過した。

毎日,父を忘れないとは言えないけれど,母になった私は改めて親のありがたみがわかる。

父の存在の大きさがわかる。


今,本気で思う。

「お父さん,私をここまで大きく育ててくれて本当にありがとう!

心から感謝しています。私と息子も見守っていてください。」


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